はじめに

今回はEthereumブロックチェーン上でスマートコントラクトを記述することが出来るSolidityのIDE(統合開発環境)の環境構築について紹介します。今回は前回紹介したRemix(Browser-solidity)のオフラインのローカル環境構築を行います。
多くの書籍やサイトは今では時代遅れ
現在では多くのブロックチェーン関連の書籍が発売されています。その中にはEthereumブロックチェーンの技術書もあります。その技術書らではEthereumのIDE(統合開発環境)であるRemix(Browser-Solidity)のオフラインでのローカル環境構築を行なっています。
しかし、それはBrowser-SolidityがIDEであった時の環境構築方法です。そのため以前から出版されたEthereum技術書やwebサイトを参考にしオフラインでのローカル環境構築を行なってもうまくいきません。
また、githubのリポジトリも現在では名称が変更になっています。
以前のオフラインでのローカル環境構築に利用されていたgithubはこちらになります。
Remix(旧Browser-Solidity)のおさらい

Remix(Browser-Solidity)はSolidityを利用するためのWebブラウザベースの開発環境です。Ethereumブロックチェーンに参加しているノードへ接続ができ、コントラクトのデプロイなどが出来ます。
1.コマンドラインでソースコードをコンパイル
2.Ethereumブロックチェーンにデプロイ
1.2のフローがRemix(Browser-Solidity)のみで行なうことが出来ます。
Blockmaniaでは以前にSolidityやRemixについてこちらの記事で触れているのでより詳しく知りたい方は併せてお読みください。
Remix オフラインでのローカル環境構築

githubのRemix(Browser-Solidity)ページに移動
オフライン版Remix(Browser-Solidity)のインストール手順を説明します。
Remix(Browser-Solidity)のGitリポジトリから任意のローカル環境に落としてビルドします。
以下のURlからgithubのページに移動してください。
https://github.com/ethereum/remix-ide
Remix(Browser-Solidity)をダウンロード
https://github.com/ethereum/remix-ide
上のサイトに移動したら、Remix(Browser-Solidity)をダウンロードします。
まず、ブランチをgh-pagesにします。赤色で囲われたBranch: masterをクリックしてください。そうすると、以下のように入力欄が出てきます。その入力欄にgh-pagesと入力してください。


ページがhttps://github.com/ethereum/remix-ide/tree/gh-pagesに更新されましたら、「Clone or download」と表記してある緑色のボタンを押して、Download ZIPを選択してください。
Zipファイルを解凍後、remix-ide-gh-pagesフォルダにあるindex.htmlを開くと以下のような画面になります。

構築されたオフラインのローカル環境でSolidityを利用したスマートコントラクトを実装してみてはいかがでしょうか?
コマンドラインでremix-ideをインストール
npmモジュールであるremix-ideをコマンドラインでインストールするためにはまずnpmとnode.jsをインストールしておく必要があります。
そのため、こちらの記事でnpmとnode.jsについて紹介しているのでそちらを先にお読みください。
- npmとnode.jsがインストールし終わったら、以下のコマンドを実行してください。
~ example$ npm install remix-ide -g ~ example% remix-ide
- githubのリポジトリをクローンしたい場合は
~ example$git clone https://github.com/ethereum/remix-ide.git ~ example$cd remix-ide ~ remix-ide$npm install ~ remix-ide$npm run setupremix ~ remix-ide$npm start
上記通りに進めてもエラーが出てしまう場合があります。それは一人一人PC環境が違うことが原因の一つです。
npm install実施時にエラーが出てしまう場合はsudo npm installを試してみてください。うまく実行されるかもしれません。
コマンドライン上でnpm startを打ったあと、ブラウザでhttp://127.0.0.1:8080にアクセスしてください。うまくいくと以下のような画面が開けます。

まとめ
以上でRemix(Browser-Solidity)の環境構築が完了となります。node.jsやnpmが出てきたことでプログラミング初心者の方にはとっては少しばかり難易度の高い環境構築だったかもしれません。しかし、一歩ずつ進んでいけばEthereumの開発環境構築を済ますことができ、いずれはSolidityを使ってスマートコントラクトを実装することができます。焦らず自分のペースで学習を進めてください。